③結露対策

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ネットワーク機器のトラブル要因の一つに「結露」があります。
結露状態を含む湿度の高い環境は、金属の腐食を速め機器の誤作動につながるリスクがあるためです。

結露が発生すると、機器が濡れ、ショートする危険性もあります。
日本の平均湿度は60~70%ですので、ネットワーク機器への結露対策は、重要な課題なのです。

結露発生の原因

機器が入っている筐体の外の空気が急激に低下すると、筐体自体が冷やされるため、飽和水蒸気量が変動し、空気中の水分が水滴となって筐体に付着します。
換気口から湿度の高い空気が流入するなどして、機器の周辺で結露が発生する可能性は多々あります。

結露には、冬型結露夏型結露の2種類があります。
冬型結露は、外気温の急激な低下により、筐体の内壁面に水滴が付着する結露です。
夏型結露は、高湿度で暖かい外気が内部に入ったとき、機器や内壁面に水滴が付着する結露です。
どちらも、水滴による金属部の腐食や、機器のショートを発生させるおそれがあります。

ちょっと一言

サビ発生のメカニズム

鉄の構造はFeの原子と自由電子eから出来ており、外部要因がない乾燥した大気中であれば構造的、電気的にも安定しています。

しかし、鉄の表面に水分が吸着するとイオン化します。

Fe → Fe2+ + 2e

さらに周りの空気中の酸素が水分の中に溶け込むと、鉄の中にある自由電子eが水分に取り込まれ、水と酸素と電子が反応してマイナスの水酸化物イオンOHになります。

H2O + ½O2 + 2e → 2OH

Fe2+は電気的に不安定で、さらに電子を離し、より安定なFe3+に変化します。

Fe2+ → Fe3+ + e

Fe3+OHを引き寄せ、Fe(OH)3となります。

Fe3+ + 3OH → Fe(OH)3

Fe(OH)3は不安定なので速やかに水分(H2O)を分離し、

Fe(OH)3 → FeOOH + H2O

酸化鉄としてサビ=Fe2O3酸化鉄(Ⅲ)が生じます。

FeOOH → ½Fe2O3 + ½H2O

このように酸素や水があるところに鉄を放置すると、サビを生じます。
サビは自身が水分や汚れを留めるうえ、鉄鋼表面にできた凹凸により反応面積が増大するため、一旦生じたサビは加速度的に進行してしまいます。

東洋電装での結露対策

東洋電装ではネットワーク機器使用時の「結露対策」として

などの工夫をしています。詳しく見ていきましょう。

ペルチェクーラー(小型クーラー)の実装

ペルチェクーラー

ペルチェクーラーは、ペルチェ素子を利用した小型冷却器で、外気温度が一定以下になると作動する制御回路を組んでいます。
ペルチェクーラー本体に筐体内の空気を取り込んで冷却、結露させ、ペルチェクーラー本体内に発生した水滴を筐体外に放出することで結果として筐体内の湿度を下げる役割をしています。

循環ファンの取付

ペルチェクーラーから放出される湿度が低い空気を筐体内に循環させる目的で循環ファンの取付をしています。
これにより筐体内の湿度が均一になり、結露の発生を防ぎます。

調湿シートの実装

特定の湿度領域になると急速に吸放湿する調湿シートを筐体上部に実装しています。
このシートによって水蒸気を速やかに吸着し、直接的に高湿度の状態を抑制することが出来ます。

ヒーターなどの熱源の実装

特に屋外設置時はヒーターなどの熱源を筐体内に実装することで温度を上げて空気中の飽和水蒸気量を上げます。
これにより、同じ空気中の水分量でも結露させずに空気中に水分を含んだままにしておくことが出来ます。

筐体の構造

筐体内に外気を取り入れやすくする構造にすることで湿度が高くなり過ぎないように工夫をしています。


このように様々な工夫を外部環境に合わせて行うことで筐体内の機器を結露から守っています。