近年、屋外に設置されている制御盤、通信盤などにおいて日射による内部収納機器の熱的トラブルが増加しています。

東洋電装の路側情報伝送装置『ERICE』では【温度対策】として
といった工夫をしています。詳しく見ていきましょう。
赤外線反射塗料の施工
太陽光が当ると温度が上がると言われていますが実際のメカニズムは太陽光の成分(赤外線、可視光線、紫外線)のうち、およそ半分を占める「赤外線」が物質に当たることによってその物質を構成する分子が刺激されて激しく振動し、温度上昇が起こっています。
そこで太陽光に対する反射率に優れた着色顔料と熱放射率に優れたセラミックにシリコン樹脂を融合した特殊な赤外線反射塗料で外装を施工することで熱の侵入を遮断しています。
ペルチェクーラー(小型クーラー)の実装
『ERICE』は筐体内の温度を抑制するために、ペルチェクーラー(ペルチェ素子を利用した電子クーラー)を実装しています。
ペルチェクーラーも改良を重ね、消費電力を大幅に減少、冷気の吹き出し方向を調整しています。特に消費電力を大幅に減少出来たことで筐体内の温度上昇抑制にも繋がっています。
ちょっと一言
ペルチェ素子とは、2種類の金属の接合部に電流を流すことで、片方の金属からもう片方の金属へ熱が移動する「ペルチェ効果」を利用した板状の半導体素子のことです。
ペルチェクーラーはペルチェ効果を使った冷却装置で温度を保つのに適しており、ワインセラーなどでも使われています。
循環ファンの取付
筐体内でペルチェクーラーの冷気を循環させる目的で循環ファンの取付をしています。
これにより温度をなるべく均一にしています。
耐環境製品の選定
気温が厳しい環境でも動作出来る耐環境機器をなるべく選定することで内部機器そのものが高温でも耐えられるようにしています。
また、耐環境機器の中でもより熱に強いものとそうでないものがあるため、ペルチェクーラーの冷気の当り方や空気の循環の具合とを考慮して内部機器を配置しています。
このように路側情報伝送装置『ERICE』は内部機器そのものが外部環境の変化に強いものを選定し、筐体内外で機器を保護する工夫を施しています。
これらの工夫によって屋外設置を可能にし、保守稼働率の軽減にも繋がっています。